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訃報届く

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 今日の午後、大学仲間のSが亡くなったという訃報が届きました。
体調崩してこの数年の間、人工透析をしていましいたが、仲間の集まりには必ず
参加する優しいおっとりした性格の彼。最近は入退院を繰り返していました。

 10日ほど前に彼へ絵はがきを出したところ、先週彼の奥さんから電話が入り
「また入院しているので、私が見舞いに行った時に、声をかけてください」と
言われました。

 その翌日、奥さんの携帯から「いま病院です。夫は聞こえているはずですから
お願いします」と言われ、b-gから声を掛けたのですが反応なく、聞こえているのか
分からず、ほんの2、3分ほど一方的におしゃべりしました。

 奥さんに代わると「頷いているから聞こえていると思います」。彼は若い時から
話し掛けても「お、お」とか「うん、うん」と相槌を打つくらい無口でしたから
きっと聞こえていた筈です。

 一昨日、その後が気になるので、またSの奥さん宛に手紙を書きました。何と今日
白百合の絵が描かれた葉書で「あの翌日の夕方、急に永遠の旅に出ました」との
悲しい返事を頂いたのです。冥福を祈るばかりです。

 昭和25年の春、芸大工芸家図案部に入った仲間は24人、残るのは今や4人だけ。
知り合ってから70年。少人数のクラスなので親しい仲間ばかりでした……。

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