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はんこ

ブタの判子.jpg
 最近特にコロナ騒ぎ以来、お役所や会社でも「脱はんこ」が叫ばれています。
沢山のはんこが押された書類は、皆が了解した印でいいと思うのですが、今や
押印は古くて、デジタル時代にふさわしくないのでしょうね。

 b-gの父親は筆耕業といって、印刷やゴム印の版下文字を書いていましたので、
はんこ屋さんはお得意でした。母が日本橋や銀座、虎ノ門方面のはんこ屋さんに
注文取りに行き、父が雁皮紙に筆と墨で原寸大に書いたものを、都電に乗って
届けに行ったものでした。

ハンコ.jpg

 父が戦死して終戦を迎えてからは、戦災で焼け残った我が家には、色々な人が
入れ替わり立ち替わり一緒に住むようになり、はんこ屋さんの繋がりでNさんが
住むようになりました。b-gの兄はNさんからゴム印の彫り方を教わって、家計を
助けてくれました。などなど、はんことの繋がりは密なものがあるのですよ。

 その後、兄は書家として独立しましたが、書に必要な落款印などは自分で彫って
いました。b-gも絵にはんこを押すと様になるので、葉書サイズの絵には、いつも
同じものを押してます。それがこの小さな「ブタはんこ」、もう30年以上も使って
いて可愛らしく、とても捨てられませんね。


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